特上カバチ!二次小説

※嵐・空華嫌い、妄想嫌い、特上カバチ好きじゃない
 って方はどうぞ、ご退室下さい。
※これは、あくまでも空華の妄想ですので。
 たむすみです^^*

では、どうぞ↓




 特上カバチ! 田村×住吉で
 
 
 「住吉先生…」
 「何よ」
 
 美寿々と田村。
 二人がいるのは、マンションの美寿々の部屋だった。そこは昨日飲んでいた所為か、かなり散らかっていた。
 田村は呆然とし、美寿々は偉そうに腕を組んでいる。少し青白い顔で。
 ちなみに今日は休日。何故今ここに田村が居るのかというと、俗に言う『おうちデート』の類のものかもしれない。
 久々の休日だからと、美寿々が飲んでいたら田村から電話が掛かったのだ。どこかに遊びに行かないか、と。
 美寿々は文句を言っていたにも拘らず内心少し嬉しかった為、田村に言いくるめられたという形だが了承した。
 だが飲みすぎた所為か、二日酔いだったらしく気分が悪くなった為、美寿々の家に変更となった。
 部屋が綺麗な田村は、美寿々の部屋の惨状に驚愕した。
 
 「何すかこれ…」
 「…何よ、文句あんの?」
 「そりゃありますよ…この惨状だったら」
 
 この惨状、というのは勿論美寿々の部屋の汚さの事だ。普段も大抵美寿々の部屋は汚いが、今日のは異常だ。
 掃除もまるっきり出来ていない、テーブルの上は昨夜自棄になって食い散らかした後…。
 確かにそう言われるのは当たり前かもしれない。美寿々も内心、この部屋を見せるのは如何かと思っていた。
 しかし二日酔いの所為で、立ったり座ったりすると余計に気分が悪くなる。だから掃除をする気に離れなかった。
 いつもはスラスラと言葉が出てくるのに、今日は頭が回らずなかなか巧く出てこない。
 
 「田村の癖に生意気よ」
 
 何を言おうかと思ったときに、迷わずその言葉が出てきた。しかも、足つき。「てっ」と田村が短く声を上げた。
 ああ、やっちゃったわ。何かホント、今日は駄目ね…
 
 「住吉先生、今日は何だか力が…住吉先生!?」
 
 何よ…煩いわね…。静かにしなさいよ…頭に響いて頭痛が余計に酷くなるわ…。
 美寿々はまるでスローモーションのようにゆっくりと倒れた。
 
     +     +     +     +
 
 「きついなら言ってくれれば良いのに…」
 
 寝ている美寿々の隣で田村が呟く。
 蹴られた時、いつもは膝を突いてしまいそうになる位の攻撃力なのに、今日は小動物が優しく触ってきた位の弱さだった。
 それで変だと気付いた時にはもう遅かった。
 美寿々が倒れると、床に頭がつく前に何とか受け止めた。だが、顔色を見るに相当気分が悪そうだったのでベッドに運んだ。
 ホントにこの人は、意地っ張りなんだな。
 もう年下の美寿々に敬語を使う事が板についてしまった田村は、心の中でも敬語を使う始末。
 きついなら言ってくれれば良かったのに…
 先ほど口にした言葉をもう一度心の中で繰り返す。
 田村は結構介抱の仕方などは分かっている心算なので、二日酔いだと聞いた時に本当は看病しに来たのだ。
 だが美寿々が意外に元気そうに出てきたし、心配したら心配したで怒るから放っておいた。
 
 「それがいけなかったのかな…」
 
 さっきからずっと苦しそうに寝ている。眉も顰めているし…悪夢でも見ているのか?
 やはり、最初にもう横になれと言って、無理矢理にでも寝かせればよかった。
 田村は少し自分の行動を悔やんだ。その時、美寿々が声を上げた。
 
 「う…」
 「住吉先生!?」
 「た…」
 「た?」
 「田村の癖…に、生意気…よ」
 「夢でもそれ?」
 
 目が覚めたのかと思って、呼んでみるとこれだ。呆れた。けど…やっぱ住吉先生だなぁ…
 器用そうに見えて、本当は不器用だ。しかもいつもは強がってるけど、実は寂しがり屋なだけ。
 いつも怒られるけど、最近はよく褒めてくれる。よく笑ってくれるし。
 全部ひっくるめて、
 
 「可愛いんだよなあ」
 
 さて。あんまり感傷に浸ってないで、掃除でもしておくか。空気の入れ替えも大切だ。
 田村は部屋を見回して、呆れつつも腕を捲くった。
 
 主に散らかっているのはテーブルとその周辺。だからまず、テーブルの周りを片付ける。
 酒のつまみの袋が2〜3袋ほど放置されていたのでゴミ箱へ。
 
 テーブルの上。ビールの缶でいっぱいだった。
 …3、4、5本も飲んだのか…。しかもその次に焼酎の瓶が空になってるし。こんなに飲んだら、そりゃ二日酔いになるな。
 とりあえず缶を全て潰し、瓶と分別してゴミ袋の中に。後で帰る時スーパーに寄って捨てよう。
 ………ん?待てよ。何でそんなに飲んだんだ…?
 
 片付け終了。
 とりあえず達成感を感じつつも、窓を明け新鮮な空気の入れ替えをする田村。
 美寿々にはとりあえず胃薬を飲ませようかと思ったが、寝ているので一回起こさない限り無理だ。
 
 「住吉先生〜起きてくださいよー」
 「……ん〜」
 
 頬を人差し指で触ると、とても柔らかかった。
 ぷにぷにしてるな〜。気持ち良い。
 そう和やかに思っていると、美寿々が目を開けた。驚いている田村に目もくれず、上体を起こす。
 
 「…田村…」
 「え?」
 「何で…何でよ」
 「何がですか」
 「田村の癖に…」
 「またそれかよ」
 
 流石に繰り返されると苛ついてきた。
 溜息を一つ吐くと、それを合図にしたように美寿々が田村に倒れこむ。
 内心ガッツポーズする田村。しかし、そんな悠長ではいられなかった。
 
 「熱い…!?」
 
 美寿々の体が熱い。反射的に美寿々の額に手を当てる。自分の額と比べて、熱かった。更に、美寿々が咳き込んだ。
 もしかして、これって…風邪!?
 今は12月。風邪を引いてもおかしくない時期だ。今はインフルエンザも流行っている。風邪である事を願いたい。
 っていうか、二日酔いと風邪って最悪コラボだよ!
 田村は溜息交じりに美寿々を横にして立った。
 氷枕を探す為、そしてキッチンに行って、「失礼します」と言って冷蔵庫の中を開ける。
 冷凍室何処かな…
 大体の冷蔵庫の冷凍室は下の辺りにある。この冷蔵庫も、下から二番目の引き出しにあった。
 氷枕も見つけ、とりあえず持ってきたタオルに包む。そして美寿々のベッドに持っていった。
 ゆっくり美寿々の頭を上げ、素早く枕を入れ替える。余り枕が高すぎると、逆に頭が痛くなるからだ。
 とりあえず、美寿々は安静に寝させておくしかない。家からは胃薬しか持ってきてないし…
 第一他人の部屋をあまり探るのは良くない。わざわざそんな事に美寿々を起こすのもどうかと思われる。
 
 「仕方ない。薬局行くか」
 
 ここに来る前に、ドラッグストアに寄って胃薬を買って来た。だからそこに行けば風邪薬もある筈だ。
 だが、この部屋を出るのには問題が一つあった。この部屋の鍵がどこにあるのかも知らない。
 流石にこれは本人しか知らないのが当たり前だが、鍵が無いとこの部屋の戸締りが出来ず、薬を買いに行けない。
 ああ〜どうしよう!
 苦悩していた所で声がした。
 
 「…何一人で悶えてんのよ」
 
 他ならぬ美寿々の声だ。美寿々が起きたのは、田村が頭を抱えて唸っている為だ。
 
 「悶えてなんかいません!俺はただ、風邪薬を買いに行こうかと思っただけです!」
 「あんた馬鹿?薬の場所なんて、あたしに聞けば分かるでしょ?」
 「いや、だってあまりにも気持ち良さそうに寝てるし、そんな事で病人を起こすのもどうかと思いまして」
 「……ハア。あんたホント馬鹿ね。薬はそこの棚の一番上の右側に入ってるわよ」
 「あ…すみません。…ん?住吉先生、顔益々赤くなってますよ。熱が上がってるんじゃ……」
 「うるさい!」
 「……すみません」
 
 何だよ、人が心配してるってのに。
 田村が少し不貞腐れながら棚を探している近くで、顔の赤みが熱じゃない事を悟った美寿々が更に赤くなった事は田村が知る由も無い。
 お、あった。
 「頭痛に良く効く風邪薬」と書かれた薬の箱の裏には、15歳以上の欄に「毎食後2錠服用」と書かれていた。
 
 「住吉先生。何か食べられますか?」
 「うん」
 「何が良いですか?俺、作りますよ」
 「は!?」
 
 腕を捲くってそう言った途端、美寿々が跳ね起きた。口を開き、目を見張っている。
 住吉先生、急にどうしたんだ?
 
 「熱上がりますよ。どうしました?」
 「あんた、料理できんの?」
 「いつも自炊してますが」
 
 美寿々が田村を嘘でしょ、と言いたげな目で見てくる。失敬な、と田村は心の中で呟く。
 確かに田村は自炊しているが、自身の味オンチに気付いていない。つまり、田村の料理を他の人が食べると頗る不味い。
 「キッチンミヤシタ」の件でそれを何となく把握していた美寿々は拒否する。
 
 「何か食べれそうなものを、適当に買ってきてくれたら良いから」
 「こういう時ってお粥が良いらしいですし、作りますよ」
 「いや、確か近所のスーパーに簡単に作れるお粥売ってたから、それ買ってきてくれたら自分で作る!」
 「駄目ですよ、住吉先生は絶対に安静です」
 
 何やかんや言って、結局は田村が簡単に作れるお粥を買ってきて作る事になった。
 美寿々は絶対安静を言われ、頭痛も襲ってきて負けてしまった。
 田村に鍵の場所を言って、美寿々は睡眠に入った。
 
     +     +     +     +
 
 “世の中金が全てなんだよ”
 “何が金よ!あんたみたいな男なんか…男なんか…”
 「大っ嫌い!」
 
 美寿々は、自身の声と共に跳ね起きた。頭がズキッと痛む。両手で頭を抱え込んだ。
 悪夢…あの時の事が夢に出てくるなんて…最悪。また男と関わったからかしら。
 男、と言う単語で美寿々は部屋が静かな事に気付いた。
 さっきまで居た筈の、「あいつ」が居ない。「あいつ」とは、田村の事だ。こんな最悪の日に家に来た、あの馬鹿の事。
 今日は休みだからと言って、昨日はあまりにもいっぱい飲みすぎた。自棄酒、と言うものだろうか。
 自棄酒した原因は、田村。そしてその原因が、今日電話して来た。
 こっちは気分悪いって言うのに、何ともお気楽に「遊びに行こう」なんて言う。でも気分が悪いと断ると、
 “気分が悪いのなら、俺そっちへ行きますよ”
 そう言って、結局来た。寝とくから良いって言ったのに。ホント、お節介で正直者(バカ)なんだから…
 帰ったのかしら。あいつ、自分で来といて勝手に帰ったなんて…
 美寿々の頬を、温かい水が伝わる。美寿々の目から伝わってくるそれは、どんどん溢れてくる。
 あれ…なんで私泣いてるの?
 擦っても擦っても、涙は止まらない。何故だか分からないまま、涙は止め処無く流れる。
 
 「住吉先生!」
 
 突然現れたその声。低くてよく響くその声は、帰ったかと思った声だった。
 心配してる顔で、私を見る。両肩をガッシリ捕まれて身動きが取れない。
 
 「どうしたんですか?」
 「なんであんたが、ここに」
 「え?さっきご飯作るって話になって、簡単に作れるお粥を買ってくるって事になったじゃないですか。覚えてないんですか?」
 「そ…だっけ」
 「そうですよ〜!じゃあ、今から作りますから」
 
 そう言って美寿々の両肩を放し、田村はゆっくりと腰を上げた。
 
     +     +     +     +
 
 「住吉先生〜」
 
 お粥が出来た。単に、「簡単に作れるお粥」の袋の裏面に乗っていた作り方を真似ただけだが。
 あまり熱いのを食べさせるのもどうかと思われたので、少し覚ましてから田村は美寿々を起こした。
 だが、美寿々はなかなか起きない。あまり冷めると逆に美味しくない。出来るだけ早く食べさせて薬を飲ませたかった。
 テレビとかであるみたいに、布団をはぐるのを病人にしたら悪化するので、とりあえず頬をつんつんする。
 …起きない……こうなったら!
 
 「お粥出来ましたよ〜!すーみーよーしーせーんーせー!」
 「煩い!」
 
 田村は普通くらいの大きさで美寿々の耳元で声を出した。幾ら普通の大きさだからと言って、耳元でされたら流石に煩い。
 案の定、美寿々は目をばっちり開け、若干赤い顔で怒った。だが、一応起きたのは起きたので、作戦成功。
 
 「煩いわよ!」
 「住吉先生がなかなか起きないからですよ」
 「……で、なに」
 「昼ご飯出来ましたよ。起きれますか?」
 「ん…」
 
 美寿々が手を伸ばして、田村を見る。
 …これは暗に、「起こせ」と言っているのだろうか……
 田村は溜息混じりに、伸ばされた美寿々の手を掴んだ。そしてゆっくり引っ張る。
 田村の手は大きく、男なだけあってごつごつと骨ばっている。逆に、美寿々の手は田村とは対照的に白く小さい。
 やっぱ女の子だよな〜。手入れがよくしてあって指は長い。可愛い手だ。
 長く美寿々の手を眺めていると、流石に美寿々も嫌そうな顔をした。
 
 「…起きたからいい加減放してくれない?」
 「あっ…すいません」
 「…何してたの」
 「いや〜住吉先生の手って可愛いな〜と思って」
 
 そう笑って言うと、美寿々が冷ややかな視線で田村を見る。
 え?なに?
 
 「変態」
 「何でですか!」
 
 ただ感想を述べただけなのに!なんか年下から言われると余計に…
 田村が悶々と考えていると、美寿々が話題を切り替えた。
 
 「それより田村。お粥は?」
 「あぁ!そうだった。持ってきますね」
 
 今まで忘れていた田村は、美寿々の言葉で思い出し、急いで台所へ向かう。
 台所のガスコンロの上に土鍋があった。その蓋を開けると、湯気が上がった。
 良かった。まだ冷めてないみたいだ。
 とりあえずホッと息をつく。そして近くにあった二枚の布巾で土鍋を持ち、田村はゆっくり美寿々のベッドへ持っていった。
 ベッドへそのまま直行しようとして、ふと気付いた。このままだと布団に直につく。
 テーブルの上に置いて、ベッドに行った。
 
 「住吉先生、立てますか?」
 「わかん…… きゃ!」
 「うわっ」
 
 田村が手を伸ばしたが、美寿々はそれを拒んだ。
 ベッドから片足を出し、自分で立とうとしたらふらついて倒れそうになった。それを何とか間一髪、田村が支えた。
 
 「大丈夫ですか?住吉先生」
 「早く放して」
 「あ、すみません」
 
 幸い怪我が無いようだ。
 「良かった」なんて呑気に思っている時に、美寿々が複雑な表情をしていた事は田村は気付かなかった。
 とりあえず一刻も早く治す為に、田村は食事を催促させた。美寿々は溜息混じりにお粥を食べ始めた。
 味はどうだ、と聞いても返事はなく、黙々と食べている。まあ先程一応味見はした。そんなに悪い感じではなかった。
 まあ、いいか。俺も昼ご飯食べよう。
 そう思い、立ち上がる。お粥を作っていたのと同時に、味噌汁も作った。
 今はそんなにお腹空いてないし、これで十分だと思って作っておいた。それをお椀に注ぎ、割り箸を持ってテーブルへ。
 美寿々の横に座り、「頂きます」と手を合わせる。
 
 「…あんた人の家漁りすぎよ」
 「へ?そうですか?住吉先生の家、結構たくさんあったからですかね」
 「大体、その味噌汁いっぱい作ってないでしょうね」
 「ああ。鍋一杯に作りましたよ。昼と夜一緒なのもなんですし、味噌汁くらいなら食べられるかなと思って」
 「…それ、ちゃんと味見したの?」
 「してるに決まってるじゃないですか!結構いけますよ」
 「…そう」
 
 「あんたの味見は味見じゃないでしょ!?」と言いたいところだが、
 折角作ってもらった上に、張本人は至極期待してる様な瞳(め)で美寿々を見ていた。
 仕事上では毒舌な美寿々も、流石にこのダブルパンチに気分の悪さを上乗せされたら、言う気力が湧かなかった。
 溜め息を交えながらも勇気を振り絞り、土鍋に置いてある蓮華を持ってお粥を掬った。
 見た目は悪くない。いかにも普通のお粥ね。だけど問題は見た目じゃない。問題は…味。
 蓮華を口に運び、恐る恐る口に入れた。黙々と食べる。徐々に味が口の中へ広まる。
 …え…!?
 だが意外にも、田村の作ったお粥は、想像以上に普通だった。
 美寿々が食べた後、田村は爽やかな笑顔で期待を込めた一声を発した。
 
 「どうですか?」
 「…普通ね。美味しくも何とも無い」
 「棘のある言い方をしますね…まあ、何はともあれ不味くなかったんなら良いです。って何でそんな微妙な顔してるんですか」
 
 何よ。普通に食べられるじゃない。無駄な心配して損したわ。
 美寿々は田村に内心少し怒りつつも、田村お手製のお粥を全部平らげた。
 田村は途中で「無理して全部食べなくても良いですよ」と言ったのだが、
 美寿々は「何よ。この位食べられるわよ。バカにしないで」と更に怒って全部食べた。
 田村自身は何故怒られたのかがまるで解っていない様子で、それは更に美寿々を怒らせた。
 全て食べ終わった美寿々に、田村は手際よく風邪薬と水をコップに半分くらい入れて持ってきた。
 
 「…あんたって、仕事は要領悪いのに、こういう時は要領良いのね」
 「え、そうですか?それはどうも」
 
 田村はたまに天然な所がある。今は惚けた顔で、まるで頭の上に?マークが乗っている様だった。
 …ったく。あたしは皮肉を言っているのに、全く解ってないわね。
 美寿々はふと栄田がいつも田村を殴ったりしている意味が今になって更によく解った気がした。
 差し出された薬を飲み、机の上に置く。美寿々はベッドに入り、田村は食器を片付けに台所まで行った。
 横になって布団を被った美寿々は、キッチンにいる田村を見た。
 この部屋は、扉が開いていればベッドから顔を見る事が出来る構造だ。
 …洗い物手馴れてる。一人暮らしっぽいし、自炊もしてるんなら慣れてるのは当たり前か。
 一見「体調の悪い彼女を見舞いに来た彼氏」様に見える。
 だが田村はそんなに頼りがいのある男じゃない、と初めの頃のあたしならきっとそう思う。
 でも今は違う。
 何だかんだ言って、様々な依頼をこなしていく毎に、田村はだんだん頼もしく信頼できる「行政書士補助者」になっていた。
 ヘタレだと思っていたら急に男らしくなるし、男ってホント意味解んない。…女はいつも置いていかれるばかり。
 あたしは、どうしたらいいんだろう。
 途端に、頭痛が激しくなる。あまり考え事をしすぎては、逆に痛みが増すばかりだ。
 だが、いつも動き回って働いている美寿々にとっては、動けない事は辛い。
 考え事ばかりしてしまう。嫌な事で頭が埋め尽くされる。
 痛い。考えたくない。でも食べたばかりじゃ寝れない。痛い。頭が…とても…
 唐突に、額に冷たい物を感じた。今まで激しい痛みで反射的に瞑っていた目を開く。濡れた、タオル?
 
 「大丈夫ですか、住吉先生」
 
 上から聞こえたのは心配そうな田村の低い声。美寿々の真上に田村はいた。様子を伺うような顔で美寿々を見ている。
 
 「あんた、洗い物は?」
 「ちゃんとやりましたよ。で、様子見にきたら住吉先生苦しそうだったから、とりあえずハンカチを濡らして来ました。」
 
 ニコニコ微笑みながら、田村はそう言った。
 とりあえず体を起こした。と同時に、額に乗っていたハンカチが落ちた。
 確かに、タオルかと思ったがハンカチだった。黒いハンカチで、生地の感触がが少しタオルと似ていた。
 あたしはこんなの持っていない。とすると…
 
 「……これ、田村の?」
 「当たり前じゃないですか!いくらなんでも箪笥までは見ませんよ!」
 「田村臭い」
 「親父臭いみたいに言わないで下さい。…と言うか、早く寝てください。病人なんですから」
 
 そう言われ、確かに頭も痛くて座っているのが辛かったので仕方なく横になった。
 田村が、座った所為で捲れた布団をちゃんと掛けてくれた。その動作は、とてもゆっくりだった。
 しっかり掛けてやると、田村は立ってまた美寿々に笑いかける。
 
 「それじゃ、失礼します」
 「え…」
 「どうしました?」
 
 美寿々の呟きに田村が答えた。美寿々は、少し言いにくそうに目を泳がせる。
 何よ、これ。別に、寂しいなんて思ってないんだから。
 
 「あんたが看病するって言ってきたんでしょう?なら最後までしなさいよ」
 
 美寿々が言い終わると、田村が目を見開いて、暫くの沈黙の後、くつくつと笑い出した。
 
 「何が可笑しいのよ」
 「素直じゃないなあ…何か勘違いしてませんか?」
 「はあ!?」
 
 田村が笑う。美寿々は田村が何故笑うのかが、全く解っていない。
 
 「俺は、“帰る”だなんて一言も言ってないですよ。この部屋を失礼しますという意味です」
 「なっ!…紛らわしいわね!」
 「いや〜でも住吉先生って以外に寂しがり屋なんですね」
 「はあ!?なっ何言ってんのよ!田村の癖に!」
 「大丈夫ですよ。俺はどこにも行きません。だから、ゆっくり休んでください」
 「……ホントに?」
 「はい」
 「…よかった」
 
 美寿々はゆっくり目を閉じた。
 
 「…やっぱ寝顔は可愛いな。年下だから余計にそう感じるのかな?」
 
 田村が寝顔を見てこんな感想を述べていることを知らずに。  
 END


☆反省☆

ぐはっ\(^q^)/何だこのgdgdは…っ!
orz×∞だゎコレ…
でも結構2828しながら去年書いた小説。
誰得かって?もちろん俺得でs((殴
翔真希良いよね!って人、いないかな…(´・ω・`)
翔景でもおっけぃ☆バチ恋←
どっちか当てはまる人、コメください

最近翔真希か翔景かで迷ってる><
特上カバチ!”も好きだし
謎解きはディナーのあとで”も好き///
迷うぜ…((タヒれww
でも、お嬢様は風祭警部とも結構フラグたってたよねww
年の差は10歳までなら許容範囲さっ←
ってことで、風祭警部は…^^;

そういえば、影山って謎ディHPの所見ると、
30歳ってなってるww翔くんまだ29ですがww
まぁ今月なるけどね!
麗子と影山は6歳差!hshsムラムラ///ω///

…はい←
語りました。
色々サーセン^q^

でゎでゎお疲れちゃん`・ω・´/
閲覧さんくすです(@^^)/~~~